【 用語集 カ行 】






【 カ 】

介入
平衡操作とも呼ばれ、外国為替市場で経済実態を反映しない相場の急変動に対して中央銀行が相場を安定させるために行う為替売買。例えば日銀が相場を安定させるため円を買うことを「円買い介入」、逆に円を売ることを「円売り介入」といいます。また、1国だけで行う単独介入と複数国で行う協調介入、他の中央銀行に頼んで介入をしてもらう委託介入があります。

買い持ち
外貨を買っている状態のことをいいます。買いポジションを持っているともいいます。日本の場合、対円で外貨を買っている場合であれば、「円安」(外貨高)になれば、為替差益が出ることになります。

買戻し
売りポジションを反対売買により決済する行為。【←→転売】

外貨準備
国の輸入代金決済や債務の支払いなど、対外支払いに充てるために準備しておく外貨のこと。財務省・日銀が外国為替市場で円買い介入を行なう場合は、この外貨準備のドルを売却して、円を購入します。また、これとは逆に、円売り介入を行なった場合には、円を売って得たドルを、外貨準備に組み入れます。ちなみに、2008年10月時点の日本の外貨準備高は約9777億ドルとなっております。

外貨準備高
国が保有する外貨や証券などの合計額で、外貨建ての借入金の返済など対外的な支払い能力を示す。企業や個人など民間が保有している分は含まれない。

外貨建てMMF
外貨で運用される公社債投資信託です。格付けの高い公社債や短期金融商品で運用される金融商品です。主な通貨として米ドルのほか、ユーロ、豪ドル、英ポンド、ニュージーランドドルの5種類。ドル建ての購入は10ドルから可能。国内では主な証券会社のほか、一部の都市銀行でも扱っている。金利に相当する部分には一律20%源泉分離課税されるが、為替差益が出ても課税されない。外貨預金では為替差益は雑所得して課税される。

外国為替(Foreign Exchange)
外国の通貨、あるいは異なった国の通貨を交換することです。英語では「Foreign Exchange」です。 「為替レート」とは、2つの国の通貨を交換するときの比率(レート)です。

外国人投資家
外為法第26条第1項によって、1.非居住者である個人、2.外国法令に基づいて設立された法人その他の団体又は外国に主たる事務所を有する法人、3.本邦の会社であって1.又は2.に掲げるものが実質的に支配していると認められるもの、4.非居住者である個人が、その役員又は代表権を有する役員のいずれかの過半数を占める法人の場合は、外国投資家であると規定されています。

外国通貨建て
外貨で決済が行なわれるという意味です。

外国投信
外国の法律に基づいて、委託会社が海外で設定や運用をする外貨建ての投資信託のことをいいます。多くの外国投信は国内の投信と比べ高い運用利回りを実現できることをメリットと謳っていますが、収益が大きい可能性があれば、当然、リスクも大きくなります。また、投資した後に、円安基調であれば為替差益のメリットがありますが、円高基調になると為替差損が出るリスクがあります。

外国為替及び外国貿易法(外為法)
1949年に施行された対外取引に関する基本法です。1979年改正(80年施行)。1997年改正(98年施行)。98年に施行された新外為法では内外の資本取引が自由になり、あらゆる企業は外為業務を手掛けることができるようになりました。

外国為替市場
為替取引は基本的に相対取引ですから、お客様と当社の間で取引が行なわれれば、それも一つの「外国為替市場」を形成していると言えます。市場参加者の種類により、銀行をはじめとする金融機関中心の市場を特にインターバンク市場と呼びます。

外国為替特別会計
外国為替の売買などを管理する国の特別会計。円売り介入の資金は外為特会を通じ、政府短期証券(FB)の一種である外国為替資金証券(為券、償還期間3か月)の発行で調達する。介入で得たドルは外貨準備となり、外為特会の中で米国債などに替えられて運用される。

外為ディーラー
外国為替市場で、金融機関などにおいて実際の取引をしている人たちのことをいいます。細かく分類すると、直物為替のポジションを持って売買を行なう「スポット・ディーラー」、先物為替取引を行なう「フォワード・ディーラー」、顧客を担当する「カスタマー・ディーラー」のほか、金利取引をする「デポジット・ディーラー」、金利スワップなどを担当する「スワップ・ディーラー」、オプション取引を担当する「オプション・ディーラー」などがあります。このうち、為替相場の値動きを追いかけて、売買を行ない、顧客にプライスを提示し、そのカバー・ディールを行なうのがスポット・ディーラーです。一方、カスタマー・ディーラーは、為替相場の値動きや為替相場に影響を与えるニュースなどを顧客にサービスして、為替取引の注文を取ってくる役目で、通常は独自のポジションは取りません。

外債
外貨建て債券(外国債券)を指します。

為替差益
為替相場の変動によって生じた利益のこと。また為替相場の変動によって生じた損失を為替差損と呼びます。

為替スワップ
為替取引の一種で、日本の銀行が円を担保に入れて外国銀行からドルを借り、一定期間後にドルを返すような仕組みになっている。主に貿易業者などが活用している。

為替相場決定理論
為替変動がどのような要因で起こるのかを分析したものです。国際収支説、購買力平価説などがあります。

為替手数料
銀行で外貨預金を行なったりするときには為替手数料がかかりますが、通常は為替レートの中にあらかじめ手数料が含まれています。たとえば米ドルで外貨預金をする場合、預け入れ時に1円、払い戻し時に1円、合計2円の為替手数料を負担することになります。

為替変動リスク
為替相場の変動により損失が発生するリスクのことを指します。

カウンター・パーティ(Counter Party)
取引相手。インターバンク取引の場合は、相手方の銀行を指します。

カスタマーディーラー
外国為替市場で、金融機関などにおいて実際に取引をしている人=ディーラーのなかで、顧客を担当する人のことをいいます。

カバー・ディール(Cover Deal)
顧客取引の反対売買をして、残高を調整するための取引のこと。

カントリーリスク
海外に投資したり融資したりする場合に、その対象国の信用度がどの程度あるのかを表すもの。国民一人当たりの国民所得や外貨準備、国際収支、政治の安定度などを判断基準として、その国の債務返済能力の程度を判断します。



【 キ 】

機関投資家
生命保険会社や銀行、信託銀行、証券会社、年金基金、ヘッジファンドなど、個人や法人から預かった資産を運用することを業務とする法人のことを指します。

基軸通貨(Key Currency)
基軸通貨として主に以下の3つの要件が挙げられます。1.国際間の貿易・資本取引に広く使用される決済通貨であること、2.各国通貨の価値基準となる基準通貨であること、3.通貨当局が対外準備資産として保有する準備通貨であること。現在は米ドルが基軸通貨とされています。

期末・月末要因
決算期末などが近づくとともに、株式などの売り圧力が強まることをいいます。日本企業の場合、銀行などの金融機関や一般企業では、1年間の決算を締める期末になって想定外の損失が出て困らないように、毎年、1月ごろから3月期末の株価水準を予想しながら、保有株式の評価や株式運用の成績の確定などを行なうところがあります。そのため、利益確定や損失確定のための売りがこの時期に増えてくるとされています。

逆指値
株や為替の取引で収益を上げるためには、「安く買って、高く売る」あるいは「高く売って、安く買い戻す」ということが基本です。そのために、現在のレートよりも安い値段で買う、現在のレートより高い値段で売るという「指値」注文を使います。これに対して、逆指値とは、より高い値段になれば買う、より安い値段になれば売る、という注文方法です。一見、不合理にみえますが、為替取引における一般的で重要なリスク管理方法の一つです。予想に反して相場が動く場合に備えて、一定水準以上、相場が反対方向に動いた時にはポジションを決済して損失を限定しようというときに用います。損失をなるべく抑えて取引を行なっていく上で非常に重要で、フル活用をおすすめしたい注文方法です。

逆ざや
投資対象の価格変動により、購入価格よりも売却価格もしくは現在の価格の方が安くなっている状態のこと。

協調介入(Coordinated Intervention)
各国の中央銀行が共同して行う介入。

金融政策(Coordinated Intervention)
政策金利を上げたり(利上げ)、下げたり(利下げ)をして調整し、それによって経済の安定的な成長を目指すこと。金融政策は各国の中央銀行がそれを行う権限を有しております。

キウィ
「ニュージーランド・ドル」のことを指します。

ギブン
インターバンク市場で使われる用語で、たとえばドル/円の取引の場合はドルを「売った」という意味になります。「ユアーズ(yours)」を使うこともあります。逆に「買った」という場合は、「マイン」といいます。

キャップ
相場がある一定の水準で変動しているときの上限の水準。

キャピタル・ゲイン(Capital Gain)
債券や株式、通貨、不動産など、資産価格の上昇により生じた利益のこと。【←→インカムゲイン】

キャピタル・ロス(Capital Loss)
有価証券などの資産価格の値下がりによる損失のこと。

キャリートレード
低金利の資金を借り入れて、より金利の高い資産で運用する投資手法のことです。たとえば、「円ローンを組んで、巨額の円資金を借り入れ、その円資金でドルを買い、ドル転した資金で米国国債を購入する」ようなやり方です。この場合、円金利はドル金利に比べて安いので、米国国債の金利が高い分だけ、金利差を収益にできることになります。FX(外国為替保証金取引)のドル/円取引において、レバレッジをかけてドルを買い、スワップポイントを得るというのも一種のキャリートレードのようなものですが、為替レートの変動によっては差損が出る可能性もあることに注意が必要です。

キャンドル
カナダ・ドルのことをいいます。



【 ク 】

口先介入
実際に通貨の売買を通じて市場介入を行うのではなく、政府首脳や金融当局者が発言によって相場を意図する方向に動かそうとする行為。

クウォート(Quote)
為替レートを提示することをいいます。その際には、この値段で買いますという「買値」とこの値段で売りますという「売値」の両方を同時に相手方に提示します(ツーウェイ・クォート)。

クロス取引(Cross Trade)
米ドルを介さない為替取引のことです。ユーロクロスと言えば、ユーロを中心にした取引 (「ユーロ・円」や「ユーロ・ポンド」など)を意味し、円クロスといえば円を絡めた取引(「ユーロ・円」や「ポンド・円」、「スイスフラン・円」など)を意味します。



【 ケ 】

経済成長率(Economic Growth Rate)
景況がどれだけ上向いたかの割合。多くの場合、GDPの成長率が経済成長率のバロメーターとして扱われております。

経常収支(Current Balance)
ある国が外国との経済取引で生じた収支。貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支で構成される。

気配値(Level またはIndication)
外国為替相場で取引されているおおよそのレートのこと。

現受け・現渡し
現受けは、FX(外国為替保証金取引)などにおいて、買いポジションをもっている外貨を差金決済するのではなく、外貨でそのまま引き出すことをいいます。一方、現渡しは、売りポジションを持っている外貨を相手方に渡し、その対価を受け取る取引を現渡しといいます。

ケーブル(Cable)
英国ポンド(ブリティッシュ・ポンド/GBP)のこと。まだ為替市場が全世界連動でなく、ロンドン市場とニューヨーク市場がそれぞれ全く異なった値動きをしていた時代に、大西洋の海底ケーブル経由の電話回線を利用して、両市場間で「アービトラージ(裁定取引)」が頻繁に行なわれていたことからこのニックネームが定着した…という説がありますが、実際のところその語源については定かではありません。



【 コ 】

好材料
相場は様々な要因で動きますが、その変動原因や変動要因となるデータや出来事などを材料といいます。そのうち、相場が上がる要因のことを好材料といいます。逆に相場が下がる要因は悪材料といわれます。外国為替相場の場合、各国の経済指標、金利、株価、紛争、要人の発言、国際紛争、自然災害などが材料となりますが、好材料となるか悪材料となるかはその時々の相場環境にも影響されますから、注意が必要です。

購買力平価
自国通貨と外国通貨で同じものを購入できる比率によって為替レートを決定するという考え方のことです。たとえば、世界共通の商品であるマクドナルドのハンバーガーを、それぞれの国で同じ程度の負担で購入できる比率に為替レートは調整されるべきであるといった考え方があります。

購買力平価説(Purchasing-Power-Parity Theory)
為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決定されるという為替相場決定理論のひとつ(為替レートの決定要因を説明する概念のひとつ)。

国際開発協会:IDA(International Development Asociation)International Development Asociation。
世界銀行グループのひとつ、特に貧しい途上国に対して、長期・無利子(手数料のみ)の融資を行っています。その活動は、主に加盟国からの出資により支えられています。

国際金融公社:IFC(International Finance Coporation)International Finance Coporation。
世界銀行グループのひとつ、途上国の民間企業に対して、融資・出資を行っています。その資金は、主に世界の主要市場において調達されています。金融市場および金融機関の育成も支援しています。

国際収支(International Balance of Payment)
国際収支は1年間の国際取引の受け取りと支払いの勘定の記録である。国際収支は大きく経常収支と資本収支で大別できます。 経常収支(貿易・サービス収支、所得収支、経常移転収支)、資本収支(投資収支)。

国際復興開発銀行(International Balance of Payment)International Bank for Reconstruction and Development。
世界銀行グループのひとつ、途上国一般に対して、準商業ベースの融資を行っています。その資金は、加盟国からの出資に加え世界の主要市場において調達されています。 日本で発売される世銀債の大半はこのIBRDが発行したものです。格付は最高格付であるAAA/Aaaです。

国際通貨基金:IMF(International Monetary Fund)
通貨と為替相場の安定化を目的とした国際連合の専門機関。1944年のブレトン・ウッズ協定により、国際復興開発銀行と共に1946年3月に29ヶ国で創設されました。IMFの主な業務は、加盟国の出資金を原資として国際収支が悪化した国に融資を行うことです。2008年11月時点の加盟国は185ヶ国で、そのうちの57ヶ国に対し64億ドルの融資を行っております。

固定相場制
為替相場を一定の範囲内に固定する制度のことをいいます。一般に、為替レートの変動により経済が不安定になってしまうような、経済的基盤の弱い国では、固定相場制を取っています。通常は貿易で強い結びつきのある国の通貨に連動させる(ペッグ制)ことが多く、為替レートの変動の影響を受けずに、貿易を行なうことができます。また、特定の国ではなく、複数の通貨の平均値に連動させる「バスケット制」をとる場合もあります。

コスト(Cost)
持っているポジションの平均原価(持ち値)のことをいいます。持ち値がよいことは収益に直結するほか、少しの押し目で振り落とされずに済むなど、取引全体を有利に進めることができるという意味でも重要なことです。

コンファーム(Confirm)
為替取引で取引内容を確認すること。

ゴールデンクロス・デッドクロス
2本の移動平均線を使うテクニカル分析において、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けることをゴールデンクロス、逆に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けることをデッドクロスといいます。ゴールデンクロスの場合は、「より直近の価格傾向が上向きに転じた」とみられるために買いポジションを取り、デッドクロスの場合は、「より直近の価格傾向が下向きに転じた」とみられるために売りポジションを取るのが一般的です。ただし、移動平均線の期間の取り方によっては、クロスする時期と実際の値動きにズレが生じるため、うまくいかないことがありますから、注意が必要です。

5・10日(ごとうび)要因
たとえば、石油会社が石油を輸入した場合、その取引先に対し、契約時に取り決めた決済日にドルを支払うことになります。一般には5・10日の区切りがつく日が決済日になることが多く、そのため、5・10日には決済用のドルが不足することがあります。こうした場合、「5・10日要因により、ドル買い需要が多い」などといわれたりします。