【主要各国の基礎データ】 




はじめに

投資判断を行う上で、各国・地域の経済状況や政治情勢を把握することは非常に重要です。以下の表では、主要各国の基礎データをまとめ、投資知識として役立つ情報を提供しています。


1. GDP(Gross Domestic Product): 国内総生産


GDPは、
一国の経済活動を包括的に示す指標・景気を測る指標として重要なもので、一定期間内に国内で生産活動をした結果、新たに生産された財(モノ)・サービスの付加価値の合計額です。
付加価値とは生産額から原材料などの中間投入額を差し引いたものです。
GDPには名目値と実質値があり、名目GDPは、実際に取引されている価格に基づいて推計されるため、物価変動の影響を受けます。一方、実質GDPは、名目GDPから物価変動要因が取り除かれたものです。このため、景気判断や経済成長率をみる場合には、名目GDPだけでなく実質GDPも重視されます。

GDPの計算は下記①から③があります。
①生産面から見たGDP
 GDP=一定期間内に生み出された付加価値の合計額
②分配面から見たGDP
 GDP=雇用者報酬+営業余剰・混合所得+固定資本減耗+間接税-補助金
③支出面から見たGDP
 GDP=消費+投資+政府支出+輸出-輸入
生産面(作る)、分配面(受取る)、支出面(使う)から見たGDPと同一の価値を異なる3つの側面からとらえたもので、理論上、生産面=分配面=支出面という関係が事後的に成立すると考えます。これを三面等価の原則といいます。

 下記は主要各国のGDPの推移です。



2.1人当たりのGDP(Gross Domestic Product per capita)


1人当たりのGDP(Gross Domestic Product per capita)とは、国や地域の経済規模を人口で割って算出した指標で、平均的な国民1人がどれだけの経済的価値を生み出しているかを示すものです。具体的には、国内総生産(GDP)をその国の人口で割ったものです。

計算式: 

この指標は、その国や地域の生活水準や経済力を測るための1つの基準とされます。一般的に、1人当たりのGDPが高いほど、その国の経済が豊かであると考えられますが、実際の生活水準や所得格差などを考慮する必要もあります。

下記は主要各国の1人当たりのGDPの推移です。



3.経済成長率

経済成長率とは、ある国や地域の経済が一定期間(通常は1年間)にどれだけ成長したかを示す指標です。主に国内総生産(GDP)の変化率で表されます。GDPは、国の経済活動の総合的な価値を示し、財やサービスの生産量を計算します。このGDPが前年や前期と比べてどれだけ増加(または減少)したかをパーセンテージで表したものが経済成長率です。

計算式: 経済成長 =(今年のGDP-昨年のGDP)÷ 昨年のGDP × 100

経済成長率がプラスであれば、その国の経済が拡大していることを示し、マイナスであれば縮小していることを示します。

下記は主要各国の経済成長率の推移です。




4.物価上昇率

物価上昇率とは、ある一定期間における商品の価格やサービスの平均的な水準がどれだけ上昇(または下落)したかを示す指標です。物価上昇率は、インフレーション(物価の上昇)やデフレーション(物価の下落)の度合いを把握するために用いられ、通常は1年間での変動率がパーセンテージで表されます。

計算式: 物価上昇率 =(今年の物価指数  昨年の物価指数)÷ 昨年の物価指数​ × 100


物価上昇率は、消費者物価指数(CPI: Consumer Price Index)や生産者物価指数(PPI: Producer Price Index)などを基に算出されます。

下記は主要各国の物価上昇率の推移です。




5.失業率

失業率とは、働く意思と能力がありながらも、仕事に就けない人の割合を示す経済指標です。労働市場の状況を把握するための重要な指標で、一般的にその国や地域の経済の健全性や成長を評価する際に用いられます。

計算式: 失業率 = 失業者数 ÷ 労働力人口 × 100


・失業者数:仕事を探しているが見つかっていない人の数


・労働力人口:就業者(仕事を持っている人)と失業者(仕事を探しているがない人)の合計


下記は主要各国の失業率の推移です。




6.経常収支

経常収支とは、ある国が一定期間(通常1年間)における、外国との経済的な取引をまとめた収支の一部で、国際収支の重要な項目です。具体的には、貿易やサービス、投資、そして国際的な所得移転に関する取引を示します。経常収支は、国が外国からどれだけの収入を得ているか、または支出しているかを反映し、その国の経済の健全性や国際競争力を示す指標として使われます。

下記は主要各国の経常収支の推移です。




7.貿易収支

貿易収支とは、ある国が一定期間(通常は1年間)において、外国との間で行った「物品の輸出」と「物品の輸入」の差額を示す指標です。貿易収支は経常収支の中の主要な要素であり、国際貿易による収入と支出のバランスを測るために用いられます。

計算式: 貿易収支 = 輸出額 − 輸入額

輸出額:国内で生産され、海外に販売された商品の総額
輸入額:海外で生産され、国内で購入された商品の総額

下記は主要各国の失業率の推移です。




8.外貨準備高

外貨準備高(がいかじゅんびだか)とは、各国の中央銀行や政府が保有する外国通貨や外国資産のことを指し、国際的な取引や経済的な安定を保つために蓄積される資産です。これには外貨建ての現金や預金、外国国債、金(ゴールド)、国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)などが含まれます。

下記は主要各国の外貨準備高の推移です。




9.債務残高の対GDP比

債務残高の対GDP比とは、ある国の政府が負っている債務(公的債務)の総額を、その国の年間国内総生産(GDP)で割った割合を示す指標です。この指標は、政府の債務がその国の経済規模に対してどれくらいの負担を与えているかを表します。債務残高の対GDP比は、政府の財政健全性や持続可能性を評価するために用いられます。

計算式:債務残高の対GDP=債務残高÷GDP×100

・債務残高:政府が抱える全ての債務(国債、借入金など)の総額

・GDP:国内総生産。一定期間内に国で生み出された財やサービスの総価値


下記は主要各国の外貨準備高の推移です。






【 FXのファンダメンタルズ分析 】




はじめに

ファンダメンタルズとは、「経済の基礎的条件」と約されます。為替市場は、世界経済の様々な要因によって常に変動しています。短期的なチャート分析だけでなく、ファンダメンタルズ分析と呼ばれる経済指標に基づいた分析を行うことで、より深い理解と的確な判断が可能になります。


《 目 次 》

1.概 要

2.ファンダメンタルズ分析の仕方

3.ファンダメンタルズ分析の注意点

4.ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析

5.まとめ




1.概 要

1)ファンダメンタルズ分析とは?

ファンダメンタルズ分析とは、経済指標や政治情勢などを分析することで、将来の為替レートの動向を予測する投資手法です。為替レートは、各国の経済力や金利差、政治情勢などを反映して変動するため、これらの指標を分析することで、為替市場の全体像を把握することができます。

2) ファンダメンタルズ分析で重要な経済指標

為替市場に影響を与える経済指標は多数存在しますが、特に重要な指標は以下の通りです。

  • GDP(国内総生産): 一国の経済規模を表す指標です。GDP成長率が高い国は、経済が活発で、自国の通貨に対する需要が高まる傾向があります。
  • 失業率: 労働市場の状況を表す指標です。失業率が低い国は、経済が安定しており、自国の通貨に対する信頼が高まる傾向があります。
  • 物価指数: 物価の変動を表す指標です。物価上昇率が高い国は、インフレ懸念が高まり、自国の通貨に対するプレッシャーが高まる傾向があります。
  • 金利: お金の借り手と貸し手の間の金利を表す指標です。金利が高い国は、自国の通貨に対する需要が高まる傾向があります。
  • 政治情勢: 政変や戦争などの政治的リスクは、為替市場に大きな影響を与える可能性があります。
テクニカル分析だけでトレードしている方も多いのですが、ファンダメンタルズ分析を覚えることで、より勝ち続けることができる可能性が高まります。

テクニカル分析がうまくても、相場全体の流れを読み間違えてしまっていては、小幅な利益で終わってしまうことがあります。

その時のトレンド(旬のテーマや相場の方向性)を読むことでより大きな利益を生み出すことが出来るのです。

テクニカル分析と同じくらい重要な分析となります。




2.ファンダメンタルズ分析の仕方

1) 分析対象を定める

まずは、どの国の通貨ペアを分析するのかを明確にしまし  ょう。主要な通貨ペアとしては、ユーロドル、ドル円、ポンドドルなどがあります。分析対象を絞ることで、より集中した分析が可能になります。

2.)経済指標を収集する

各国の統計局や国際機関などのホームページから、分析対象の国・地域の経済指標を収集します。代表的な経済指標としては、GDP成長率、失業率、物価指数、金利、政治情勢などがあります。

3)経済指標を分析する

収集した経済指標を分析し、為替レートにどのような影響を与えているのかを判断します。各指標が過去の為替レートにどのような影響を与えてきたのかを分析し、将来の為替レートの動向を予測する際の参考情報とします。

経済指標分析のポイント

  • 予想値との比較: 実際の指標発表値と市場予想値を比較することで、市場の期待度を把握することができます。予想値を上回った場合は、その通貨ペアにとってポジティブな材料と判断されます。
  • 前々回の指標との比較: 前回の指標発表値だけでなく、前々回の指標発表値との比較も行うことで、トレンドの変化を把握することができます。
  • 指標の重要度: すべての指標が同等の重要度を持つわけではありません。FX会社や情報会社などで重要度が示されている指標を参考にしましょう。  



3. ファンダメンタルズ分析の注意点

ファンダメンタルズ分析は、万能な投資手法ではありません。以下の点に注意する必要があります。

  • 未来を予測することはできない: ファンダメンタルズ分析は、過去のデータに基づいて将来を予測するものです。しかし、未来は不確実であり、必ずしも分析結果通りになるとは限りません。
  • 経済指標は常に変化している: 経済指標は常に変化しており、最新の情報収集が重要です。
  • 分析に時間がかかる: ファンダメンタルズ分析には、多くの情報収集と分析が必要です。そのため、時間と労力がかかります。


4. ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析

ファンダメンタルズ分析は、テクニカル分析と呼ばれる投資手法と対比されることがあります。テクニカル分析は、過去の為替データに基づいて、将来の為替の動きを予測するものです。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析は、それぞれ異なる視点から投資分析を行う手法であり、どちらか一方だけが優れているわけではありません。投資家は、自身の投資スタイルや目的に合わせて、これらの手法を組み合わせて利用することが重要です。


5.まとめ

ファンダメンタルズ分析は、為替市場を動かす最新の経済指標などを読み解き、将来の為替レートの動向を予測する重要なツールです。しかし、万能な投資手法ではなく、注意点も理解しておく必要があります。投資家はファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を組み合わせて利用したり、自身の投資スタイルや目的に合わせて、ファンダメンタルズ分析を有効活用することが重要です。

FXのファンダメンタルズ分析に関する情報は、以下の情報源から得ることができます。

※下記以外にも様々なサイトがありますので、ご自身の使いしやすいサイトを探してください。

  • 各国の統計局: https://data.worldbank.org/
  • 国際通貨基金 (IMF)https://imf.org/
  • 金融庁: https://www.fsa.go.jp/
  • 証券会社: 多くの証券会社では、FXに関する情報や分析を提供しています。
  • FX会社: 多くのFX会社では、経済指標カレンダーやニュースを提供しています。




【 スワップポイント】為替取引のもう一つの収益源  





為替取引といえば、通貨ペアの値動きによる利益をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、為替取引には、スワップポイントと呼ばれるもう一つの収益源が存在します。今回はスワップポイントとは何かを確認していきましょう!


1.スワップポイントとは

スワップポイントとは、金利差調整分とも呼ばれ、為替取引において2国間の金利差によって発生する差益のことを指します。

金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売った場合、金利差分の利益がスワップポイントとして受け取れます。逆に、金利の低い通貨を買い、金利の高い通貨を売った場合は、金利差分の損失が発生します。

取引ポジションを持ち越す(ロールオーバーする)場合、その日の金利差が反映されたスワップポイントが加算または減算されます。

スワップポイントは、通貨ペアを保有する際の追加利益やコストとして考えられ、特に金利差の大きい通貨ペアを利用するトレーダーにとっては重要な要素となります。

2.スワップポイントの計算方法やタイミングは

1)スワップポイントの計算方法

スワップポイントは、以下の式で計算できます。

スワップポイント = (買入通貨の金利 - 売却通貨の金利) × 取引量 × 1日あたりのスワップポイント数

: 1万ドルのユーロドルを買い、1万ドルのドル円を売った場合、以下のようになります。

スワップポイント = (ユーロ金利 - ドル金利) × 1万ドル × 1日あたりのスワップポイント数

※実際の金額は各FX会社が公表していますので、そちらをご確認ください。

  

2)ロールオーバー(持ち越し)

ロールオーバーとは、FX取引でポジションを翌日に持ち越すことを指します。

ポジションを持ち続けると、その日の金利差に基づくスワップポイントが適用されます。

ロールオーバーが発生するのは、ニューヨーク市場のクローズ時(NYC)です。

このタイミングでポジションが維持されていると、スワップポイントが加算または減算されます。

※各FX会社が公表していますので、そちらをご確認ください。


3)スワップポイントが付与されるタイミング

スワップポイントは、ニューヨーク市場がクローズするタイミングで、取引ポジションを持ち越している場合に付与されます。

このタイミングでその日の金利差が計算され、スワップポイントが口座に反映されます。

さらに、スワップポイントは平日5日間にわたり毎日発生しますが、水曜日は週末分を含めた3日分のスワップポイントが付与されるため、注意が必要です。

1:ニューヨーク市場のクローズ時間(NYC)は日本時間では米国標準時間時:午前7時、米国夏時間時:午前6時となります。

2:水曜日のスワップポイントは祝日の関係や受渡日が変則的になると、付与日数が「3日分」「4日分」と通常時以上に付与されるケースがありますので、ご利用のFX会社でご確認ください。

※3:付与タイミングなどは各FX会社ごとに違う場合がありますので、ご利用のFX会社でご確認ください。


3.スワップポイント獲得のメリット・デメリット

スワップポイント獲得には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

◆値動きに左右されない収益
スワップポイントは、為替レートの値動きに左右されずに獲得できる収益です。たとえ為替レートが横ばいでも、金利差があればスワップポイントを獲得できます。
 
◆長期的な収益
スワップポイントは、毎日発生する収益です。長期的な視点で取引を行うことで、安定した収益源となります。(ただし、下記にもありますがスワップポイントがマイナスになるリスクもあります。その場合は毎日損失を出すことになります。)
 
◆リスクヘッジ
スワップポイントは、為替レートの値動きに対するリスクヘッジ効果もあります。金利差が大きい通貨ペアを選択することで、為替レートの変動による損失をある程度抑制することができます。
 
◆スワップポイントがマイナスになるリスク
スワップポイントは金利差に基づくため、低金利通貨を買い、高金利通貨を売る場合や、通貨の金利差が逆転した場合に、スワップポイントがマイナスとなり、持ち越すたびにコストを支払わなければならなくなります。これにより、ポジションを長期的に保有すると大きなコストがかかり、損失が増える可能性があります。
 
◆為替リスクの影響
スワップポイントを狙って長期ポジションを持つ場合、為替変動リスクも同時に負うことになります。金利差による利益があっても、為替レートが大きく不利な方向に動けば、その損失がスワップポイントの利益を上回ることがあります。特に高金利通貨は、為替変動が大きい場合が多く、リスクが高まります。


4.スワップポイント獲得に適した通貨ペア

スワップポイント獲得に適した通貨ペアは、金利差が大きい通貨ペアです。代表的な例としては、以下の通貨ペアが挙げられます。

豪ドル/NZドル
金利差が大きく、スワップポイント獲得に人気のある通貨ペアです。

トルコリラ/南アフリカランド
新興国通貨ペアは、金利差が大きいため、スワップポイント獲得に適しています。

ユーロ/スイスフラン
金利差は比較的小さいですが、安定したスワップポイント獲得が期待できます。

※2023年末時点


5.まとめ

スワップポイント取引は、為替取引のもう一つの収益源として活用することができます。金利差やスワップポイントの仕組みを理解し、注意点に留意しながら、上手に活用することで、為替取引をより収益性の高いものにすることができます。
※スワップポイントが加算される時間帯やスワップポイントは、FX会社によって異なりますので確認してください。



【 スプレッド 】





ニュースなどで為替レートが報じられる際に「この時間の東京外国為替市場のドル円相場は108円10銭~15銭で…」などと報じられますが、これは1ドルを買う場合の値段が108円15銭で、1ドルを売る場合の値段は108円10銭という意味になります。

この通貨の売値(BID)と買値(ASK)の差をスプレッドといいます。

このスプレッドの差が狭いほうが低コストであり、有利になります。

 ※スプレッドは取引会社によって異なります。





【 FXの取引時間 】





〈目次〉

1.取引時間について

2.年末年始について

3.サマータイムについて

4.各取引時間の特徴



1.取引時間について

基本的にFXの取引時間は土日を除いた24時間可能です。

為替市場の1日は、ニュージーランドのウェリントン市場からスタートし、アジア市場中東市場欧州市場ニューヨーク市場翌日のウェリントン市場⇒・・・という流れになります

次々に市場が移っていくので、24時間取引が可能となるわけです。

各FX会社によってメンテナンスなどの時間もありますので、各FX会社のスケジュールを確認ください。


2.年末年始について

年末年始については12月31日から翌年1月1日が休みですが、FX会社により多少違いがありますので、各FX会社のスケジュールを確認ください。


3.サマータイムについて

北米や欧州、オセアニアの主要先進国では、春から秋にかけての特定期間、日照時間の拡大に合わせて時刻を標準時間より1時間だけ早める制度を導入しています。

例えば、米国は標準時間(日本時間)22時30分からスタート ⇒ 米国サマータイム(日本時間)21時30分からスタートとなります。

【標準時間】
米国標準時間(冬時間): 11月第1日曜日~3月第2日曜日

・欧州の標準時間(冬時間): 10月最終日曜日~3月最終日曜日
・オセアニアの標準時間 : 10月第1日曜日~4月第1日曜日

【サマータイム】(時刻を標準時間より1時間早める)
・米国サマータイム(夏時間): 3月第2日曜日(午前2時)~11月第1日曜日(午前2時) 
・欧州のサマータイム(夏時間): 3月最終日曜日~10月最終日曜日
・オセアニアの冬時間 : 4月第1日曜日~10月第1日曜日
 ※オセアニアは南半球のため、上記期間は冬時間となり、逆に1時間遅くなります。


4.各取引時間の特徴
①オセアニア時間
米国市場も終わり、市場参加者が少なく、あまり値動きのない時間帯となります。

しかし、ニュージーランドの経済指標が発表されたり、週末(土日)に何らかのニュースが出た場合の月曜日の早朝は乱高下することもあります。

②東京時間
日本やシンガポールの市場参加者が参加してくる為、値動きがでてきます。


ゴトー日と呼ばれる5と10の付く日は、ドル買いが出やすく仲値の決まる9時55分までは相場が動ことが多くなります。

10時を過ぎると穏やかな値動きになることが多くなりますが、経済指標の発表(オーストラリアや中国の経済指標)がある場合は、オセアニア通貨は比較的動きます。

日本人が多く参加する時間ですので、順張りよりも逆張りが有効になることが多い時間帯です。

③欧州時間
この時間帯になると、ユーロ圏の経済指標の発表もありますので、
欧州通貨が動き出し、16時(日本時間)の欧州の株式市場の開始と共に、一気に値動きが出てくることが多いです。

19時頃(日本時間)になると欧州勢は昼休みにはいる為、一旦は落ち着いた値動きになります。

ロンドンタイムが始まる前後からは、逆張りよりも順張りの方が有効になることが多くなります。

④ニューヨーク時間
日本時間21時過ぎ頃から米国の参加者が参入し、さらに米国の経済指標が数多く発表されるため、相場の値動きは大きく動くことが多くなります。

東京の仲値に相当するロンドンフィックスが日本時間午前0時(冬時間の場合は、午前1時)に当たる為、月末になるとユーロやポンドの値動きが激しくなります。

日本時間午前2時を過ぎますと、欧州の株式市場が終了となり、多少市場参加者が減るため、少し値動きが落ち着きますが、夜中に要人発言があったり、米国の金融政策が発表される日もありますので、深夜に大きく動き相場が1円近く動くこともあります。

この時間帯は順張りが有効となることが多いです。


【ローソク足とは?】 


 為替チャートを読み解くための重要なツール




為替チャート分析において、ローソク足は最も基本的なテクニカル指標の一つです。一定期間における始値、高値、安値、終値を視覚的に表現しており、為替レートの値動きをシンプルかつ分かりやすく把握することができます。

《 目 次 》

1.ローソク足の仕組みは?
2.ローソク足の書き方は?
3.主要なローソク足の種類は?
4.ローソク足の見方は?
5.ローソク足を用いた分析方法は?
6.ローソク足分析の注意点は?
7.まとめ



1.ローソク足の仕組みは?



日足を書くのに必要なものは、始値、高値、安値、終値の4つ(四本値)です。

・始値(はじめね)…初めについた値

・高値(たかね)…1日で一番高い値

・安値(やすね)…1日で一番安い値

・終値(おわりね)…最後についた値



2.ローソク足の書き方は?

①始値と終値でローソク足の芯(実体部分)を書き、

②1日のうちに始値や終値より高い値段・安い値段があった場合はその座標まで実体部分から線を伸ばします。

上に伸びた線は上ヒゲ(または上影線)、下に伸びた線は下ヒゲ(または下影線)と呼びます。

終値が始値よりも高い場合は陽線(ようせん)と呼び、実体部分を赤色or白抜きで表現します。

逆に終値が始値よりも安い場合は陰線(いんせん)と呼び、実体部分を青色or黒色で表現します。

日々の値動きは日足、週単位は週足、月単位なら月足と呼びます。

また5分単位は5分足など様々あります。

なお、上記の日足の書き方を60分足は60分の中で始値・高値・安値・終値を用います。




3.主要なローソク足の種類は?

ローソク足には、以下の種類があります。

  • 陽線: 始値よりも終値の方が高い場合。上昇トレンドを示唆する。
  • 陰線: 始値よりも終値の方が低い場合。下降トレンドを示唆する。
  • ドジ: 始値と終値がほぼ同じ値の場合。どちらの方向にも動き得る状態を示唆する。
  • 上ヒゲ: 高値が始値よりも高い場合。買い圧力の強さを示唆する。
  • 下ヒゲ: 安値が終値よりも低い場合。売り圧力の強さを示唆する。
ローソク足は、その実体の大小やヒゲの長さなどにより、それぞれの意味が異なります。

下記に主要なローソク足を記載しました。




4.ローソク足の見方は?

ローソク足の見方をいくつか紹介します。

  • ローソク足の大きさ: ローソク足が大きいほど、値動きが大きかったことを示します。
  • ローソク足の個数: ローソク足の個数が多いほど、分析対象となる期間が長くなります。
  • ローソク足の並び方: 連続して陽線が並んでいる場合は、上昇トレンドが続いている可能性があります。逆に、連続して陰線が並んでいる場合は、下降トレンドが続いている可能性があります。
  • ヒゲの位置: ヒゲの位置は、市場心理や勢いを判断する手がかりとなります。



5.ローソク足を用いた分析方法は?

ローソク足を用いた分析方法には、以下のようなものがあります。

  • トレンド分析: ローソク足の並び方や大きさなどを分析することで、トレンドの方向性や強弱を判断することができます。
  • 反転・継続パターン分析: ローソク足が特定の形で並ぶパターンには、トレンドの反転や継続を暗示するものがあります。
  • サポート・レジスタンス分析: 過去の価格水準で反発・支持されたり、突破されにくかったりした価格水準をサポート・レジスタンスラインとして分析することができます。



6.ローソク足分析の注意点は?

ローソク足分析は、万能な分析手法ではありません。以下の点に注意する必要があります。

  • 過去のデータに基づいた分析: ローソク足分析は、過去のデータに基づいて将来の値動きを予測するものです。しかし、未来は不確実であり、必ずしも分析結果通りになるとは限りません。
  • 他の指標と組み合わせる: ローソク足分析は、他のテクニカル指標やファンダメンタルズ分析と組み合わせることで、より客観的な判断が可能となります。
  • 主観的な判断: ローソク足の見方は、個人によって異なる場合があります。分析結果はあくまでも参考情報として捉え、自身の判断と責任で取引を行うことが重要です。



7.まとめ

ローソク足は、為替チャート分析において非常に重要なツールです。ローソク足の種類、見方、分析方法などを理解し、注意点に留意しながら、上手に活用することで、為替市場の動きをより深く理解し、的確な判断を行うことができます。





【 順張り・逆張り 】




〈目次〉

1.順張りとは

2.逆張りとは

3.FXの場合は、順張りと逆張り どちらが有効か?

4.順張りの手法

5.逆張りの手法

6.まとめ


1.順張りとは

為替が上昇傾向にあるときに買い、下落傾向にあるときに売るなど、相場の方向に合わせて売買する投資手法です。

メリット
・トレンドの流れに乗るのでリスクが少ない
・利幅は少ないが勝率が高い(ただし、大きな流れに乗れれば大きな利益が出る)
・方向性が分かれば簡単にできる
・損切りの判断もしやすい
・流れに逆らっていないのでメンタルも安定する

デメリット
・トレンドを確認してからエントリーするため、逆張りに比べると利益は少ない
・方向性がなかったり、レンジ相場ではトレードしづらい
・トレンド転換にうまく対応しないと高掴みしてしまう可能性あり



2.逆張りとは

為替が急落したときに買ったり、急騰したときに売ったりするなど、相場と逆の方向に売買する投資手法です。

メリット
・トレンド転換を早く察知できれば、順張りよりも大きな利益が望める
・順張りと比べエントリーポイントが多い
・手法によってはレンジ相場でも利益が出せる

デメリット
・失敗したときのリスクが大きい(大きな流れの場合の逆張りは損失が大きい)
・ダマシに惑わされない技術や経験が必要
・順張りに比べると難易度が高い
・メンタルは順張りより辛い
・エントリーのタイミングが分かりづらい


3.FXの場合は、逆張りと順張り どちらが有効か?


全体的に言えることですが、日本人のトレーダーと海外のトレーダーはかなり異なります。
FXでは、多くの日本人の個人トレーダーが逆張りを好む傾向にあります。

「大きく上がったから下がるだろう」みたいな値ごろ感でトレードをしている人が多いのが、理由の1つだと思います。

一方、海外のトレーダーや、証券会社に勤めるプロトレーダー達のほとんどは、順張りだと言われています。

インターバンクのプロの世界でも海外のトレーダーが日本に来るとしばらくの間、上手に売買ができなくなると言われます。
それほど売買の仕方が違うのです。


その証拠に逆張り好きの日本人トレーダーが多く参加する東京時間は、小さい値幅で揉み合いレンジ相場になることが比較的多いです。

ロンドンタイムになると、東京時間のレンジを抜けてブレイクして一方向に大きく動かすことが多いのです。

ニューヨーク時間もそのままのトレンドが続き、気づけば1円動いてるなんてこともあります。

負けトレーダーが多いのは、海外時間も逆張りトレードすることが1つの要因となっていると思われます。

もちろん、海外時間でも逆張りでトレンド方向とは反対のトレードをして、利益を上げているトレーダーもたくさんいます。

上記のことを考えると基本的には日本時間は逆張り、海外時間は順張りが有効手段と考えられます。

しかし、あくまで市場についていく創意工夫をすることが重要になるということを肝に銘じてトレードすることが重要です。


4.順張りの手法




相場にはトレンド相場とレンジ相場の2つしかありません。

順張りトレードは、トレンド相場において有効な手法です。

順張りする理由は、トレンド相場の方が利益を出しやすいからです。

トレンド相場は一旦レンジから抜けたら、抜けた方向に相場は動きやすくなります。

また、買いと売りで揉み合い、そのレンジの期間が長くなればなるほど、その後に強いトレンドが発生します。トレンドが明確に発生すれば、その方向にトレードするだけで利益が出ます。

しかも、一度トレンドが発生したら、当分の間はその方向に動き続けるので利益も大きくなります。

海外のトレーダーやプロのトレーダーが利益を上げているのは、特別な手法があるからではありません。
ただ、素直に「上がったら買い、下がったら売り」というシンプルな順張りをしているだけなのです。

では、これらを踏まえて、上記の図で流れを見ていきますと、
1.まずレンジでの揉み合いがあります。

2.①ではレンジを下に抜けたのですが、またレンジ内に戻ってきてしまいました。
※この様にレンジから一時的に抜けて戻ることはよくあります。

3.②ではレンジを上に抜けたのですが、レンジに戻ろうとします。

4.しかし、③で弾かれて再び上を目指します。

5.④で②を超え、支持線と抵抗線が入れ替わったことを確認できた時にエントリーするという流れです。
※実際には①や②でそのまま抜けてブレイクする可能性もあるのですが、支持線と抵抗線が入れ替わったことを確認してからエントリーする方が安全です。



5.逆張りの手法




上記の図は2019年1月3日の7時頃のドル円相場です。

109円台から105円台へと一気に下がりました。

これだけ大きく相場が動くとかなりの確率でリバウンドがあります。

なぜなら、売りでエントリーした人が決済するには買いで入るからです。

チャートの下げが止まり、少し上昇した段階でエントリーします。(当然、損切りラインは設定します)

もっとも、ここまで相場が動くとリバウンドも解りやすいのですが、急落度合いがもっと緩やかで値幅も非常に狭い場合はエントリーしないのが無難と思われます。


6.まとめ


順張りと逆張りはそれぞれ一長一短がありますので、相場の流れなどを考えてエントリーすることが重要です。